TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD の写りには概ね満足し、Z 70-200mm を手放すことに決めた私ですが、実を言うと開放絞り付近の写りに腑に落ちない点があり、ちょっと気になっていたのです。


気になる点はいくつかあるのですが、その最たる点は、画像の場所によって描写が違うことです。

先日の記事に上げた写真を再掲します。

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【護国神社】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 85mm / F8 AE / ISO72 / RAW

屋根中央上部の丸い出っ張り(なんて名前なんだろう?)にピントを当てましたが、そこまでの撮影距離は約90メートルです。
また、社殿の奥にある木々までは、約140メートルから200メートルと言ったところです。

上の写真をクリックすると別ウインドウに拡大表示され、さらに任意の部分をクリックすると、かなりの大きさに拡大できるので、ぜひそうしてご覧になってください。
注目部分は、社殿屋根のすぐ上の木々と、屋根の左側にある木々との描写の違いです。


いかがでしょうか?

屋根のすぐ上の木々の描写は、かなり乱れているように見えませんか?
それに対して、屋根の左側にある木々の描写は、ずいぶん整っているように見えます。


焦点距離は 85mm で絞りは F8 、そしてピント位置までの距離が90メートルとなると、被写界深度は相当深く、ピント位置から無限遠にまで及びます。
それなのに、二つの箇所でこれほど描写が違うことは、ちょっと考えにくいと思います。


組立不良による偏芯・・・こんなところでしょうか。


このことに気が付いたのは先日、仕事用の PC でこの画像を見た時です。

仕事用の PCモニタは、EIZO の ColorEdge CG246.
ちょっと古い 24インチの機種で、WUXGA(1920×1200)表示に対応しています。
対して、写真趣味用の PCモニタは、先日買ったばかりの Dell U2720QM。
27インチの 4Kモニタです。


EIZO と Dell では、同じ画像を映したときの印象が全く違います。
Dell の 4K の方が、圧倒的にシャープに見えます。

これ、モニタ画素数の差なのだと思うのですが、α7R4 や Z7II の高画素機で撮った画像を見比べると、ちょっとビックリするほど見え方に差があるのです。

で、Dell 4Kモニタでこの画像を見た時は、「中央がちょっと甘いかなぁ」と言う程度の見え方だったのですが、EIZO で見た時にはっきり中央が解像していないことが分かったのです。

先日別の記事で述べた通り、鑑賞環境によって解像感が違ってくることの再確認になりましたが、それはさておき、取り急ぎレンズの調整依頼を出すことに決めました。



実は、このレンズを最初に使ったとき、どうにもこのレンズの写りに違和感を覚え、イマイチなレンズとして記事を書いたのです。
その後、何枚かは解像感を感じる写真が撮れたので、当初抱いた違和感は私の勘違いかもしれないと思うようになり、記事を削除した経緯があります。


どうやら私が覚えた違和感は間違いではなかったようなので、せっかくなので一旦削除した記事を以下に再掲することにします。


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TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD ~ イマイチ期待外れ



Z 70-200mm の重さに辟易し、試しに買ってみた TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD ですが・・・
う~ん・・・期待値が高すぎたかもしれません。

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 70mm / F4 AE / ISO64 / RAW


このレンズの何が気に入らないかと言えば、開放絞りの緩さ。

「緩さ」って言うより、輪郭の滲みでしょうか。
特に桜のような白い花を撮った時、花びらの輪郭がはっきりしないのです。
フレアっぽい、って感じですか、ね。

これ、画像を通常サイズで見た限りでは、全然問題ないのですが、拡大すると途端に粗が分かってしまいます。


恐らく解像度は十分だと思うのですが、このフレアっぽさのせいでシャープに見えないのです。


ま、拡大しなければ良い、って話しですけどね。


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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 100mm / F4.5 AE(+0.7) / ISO64 / RAW




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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 100mm / F6.3 AE(+0.7) / ISO64 / RAW




一段絞るとかなり引き締まりますが、子細に見るとまだちょっと緩い。
二段絞って、やっと私が期待したシャープさが得られます。

もちろん、焦点距離や被写体までの距離によって結果は違うでしょうが、今日一日使った感触では、引いた風景や木々をシャープに撮りたい時は、最低でも F8 まで絞りたいです。

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 210mm / F5.6 AE(+0.3) / ISO360 / JPEG



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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 130mm / F4 AE(+1.0) / ISO80 / RAW


まぁ、花を撮る場合は、この輪郭の甘さを積極的に使う手はあるかもしれません。
が、しかし、甘い・緩いと言っても、画像を拡大して分かる程度のことなので、描写に取り入れるには、中途半端な甘さなのです。

このことが、このレンズの一番気に入らないところです。

使い出してすぐ、このことに気が付いてしまったので、いきなりテンションが下がりました。

新しいレンズを買ったときは、第一印象が肝心なので、気に入るか・気に入らないかの分岐点は、気に入らない方へ傾いてしまったのでした(涙)

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 155mm / F4 AE(+2.0) / ISO64 / RAW

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 165mm / F5.6 AE(+1.3) / ISO100 / RAW

もう一つ、これはレンズのせいかどうか分かりませんが、AF がイマイチあてになりません。
花のシベを狙っても、背後の花びらに抜けることが多かったです。
まるでちょっと前の AF性能のよう。

焦点距離が 200mm ともなると、MF の難易度が非常に高くなるので、AF の後ろ抜けには非常に困りました。

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 210mm / F5.6 AE(+1.0) / ISO160 / RAW



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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD / 150mm / F4 AE / ISO100 / RAW


ボケ味も、ちょっと期待外れ、だったでしょうか。
もちろん状況次第とは言え、前ボケ・後ボケとも、思ったより TAMRON らしさを感じなかったです。


まぁ、はっきりと「悪い」とは言えないので、これは個人的な印象と言うことで。



実は、x1.4 のテレコンも同時に買ったので、試してみました。
試す前に「ダメだろうな」と思いましたが・・・

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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD + TC-X14 / 290mm / F5.6 AE(+2.0) / ISO450 / RAW



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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD + TC-X14 / 290mm / F5.6 AE(+2.0) / ISO450 / RAW



全体的な印象が思ったより良かったのは好材料。
離れた場所にある花を撮るには、テレコンは大いにアリだと思います。

ところが、予想通り、絞らないとピント面の描写が非常に甘いです。
そもそも、解像度が低すぎて、ピントが当たっているかどうか判断しにくい、と言う話しもありますが、ね。

じゃあ絞るか、と言うことになりますが、そうすると高感度で撮ることになるので、Z7II だとノイズが乗って、結局イマイチな写りに・・・

あちゃ~


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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD + TC-X14 / 290mm / F5.6 AE(+1.3) / ISO640 / RAW



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【県立美術館】 NIKON Z7II / TAMRON 70-210mm F/4 Di VC USD + TC-X14 / 290mm / F8 AE(-0.3) / ISO1800 / RAW



まぁ、もうしばらく使ってみてから、もう一度判断しようと思いますが、そろそろ昆虫を撮りにに行こうかと思っているのが悩みの種です。

このレンズ、倍率が高いので、大きな昆虫ならテレコン付ければ十分マクロレンズの代わりになると言う思惑がありました。

で、200mmクラスのレンズなら、絞りは開放で撮りたい。

ところが、開放絞りの描写がこれでは、シャープさが何より求められる昆虫撮影には、ちょっと使う気にはなれません。

結局、使い続けるにしても、花専門レンズになりそうな気がしますね・・・


あ~あ、購入は失敗だったかなぁ・・・