まだ 1日しか使っていない LAOWA の高倍率マクロレンズですが、現時点での感想をまとめてみたいと思います。



まず、その画質ですが・・・まだよくわかりません(笑)
と言うのも、後述する手ブレや被写体ブレ、ピンズレ、フラッシュの適切な運用など、様々なの要因のため、このレンズの最高性能を評価できる写真が撮れているのか、はなはだ自信がないのです。
まぁ、私の感覚的には、充分満足できる画質で、買って損はなかっただろうと感じています。

画質については、今後撮影を重ね、改めて判断するつもりです。




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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/100 / ISO800 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW




次は外観について。

見た目に小さな印象を受けるレンズですが、金属をふんだんに使っているようで、そのコンパクトさからは想像できないほど、重量感があります。
この重さは撮影時の安定感に繋がるので、非常に良いと思います。

ところが、そのフォルムがちょっと珍しい。
マウント部からレンズ前玉に向け、徐々に径が細くなっているのです。
横から見ると台形と言う、他ではあまり見かけない独特な形です。

レンズ前面は、小さな前玉がプラスティック金属カバーで覆われており、フードやフィルタは付けられません。(間違いを訂正しました)


で、購入前に不安だったのがこの形。
このレンズ、左手で安定して持てないのではないか・・・そう思っていました。

手持ち撮影の場合は、手振れ防止のため、レンズを支える左手が重要な役割を演じます。
私がマクロレンズを使う時は、左手をフードの前面に当て、人差し指~薬指の3本を第一関節で曲げ、フードの内側へ折り込む形を取っています。
そして、親指を立て、レンズ鏡筒を下から若干押し気味にし、レンズの荷重を受け止めるのです。(場合によっては親指を立てず、掌全体でレンズを保持することもあります)
また、脇を締め、肘を胸に押し付けて、死んでもレンズを動かさない、と言う覚悟を決めて撮影に臨みます(笑)




 
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【こんな感じでレンズを持ちます】





フード内に入れた3本の指ですが、短焦点レンズの場合、当然、写真に写り込む場合もあるでしょうが、私がメインとしている中望遠のマクロレンズ-例えば、SONY の 90mmマクロや、FUJI の 80mmマクロなど-では、全く写り込みがありません。
そもそも、短焦点レンズの場合は鏡筒が細く短いため、このような持ち方は出来ません。

そして、このレンズも、私が常用している持ち方ができず、安定させるにはどのように持てばよいかが不安だったのです。





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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/100 / ISO800 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW(APS-Cモード)




で、実際に使ってみてどうだったかと言うと・・・
う~ん、やはり安定感には欠けるようですね。

レンズの真ん中から先端にかけては径が細いため、比較的太くなっている根元を持つしかないのですが、これだとカメラのブレをうまく抑制できません。

しかし、もし安定感抜群の持ち方ができたとしても、このような高倍率撮影を手持ちで行う場合は、どうせファインダ像がゆらゆらし、撮影が困難を極めるに決まっていますから、安定感のある持ち方ができるかどうかは、実はさして重要ではないのかもしれません。


ちなみに、手振れ補正が付いている α7R4 ですが、あまり効かないと感じています。
実は昨日、手振れ補正の焦点距離を設定(電気接点が無いレンズなので・・・)し忘れて撮っていて、気が付いたら前回設定した「180mm」のままになっていてビックリしました。
で、正しい焦点距離を入れてみましたが、ファインダ像の安定性に、それほどの違いはありませんでした。

今回のような高倍率撮影でなかったとしても、α7R4ボディーの手振れ補正は効きが悪いと、常々感じている私ですが、元々効き目抜群のオリンパスが私の判断基準になっているので、大きなセンサーサイズの α機にとっては、甚だ不利な話かもしれませんね。




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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/125 / ISO400 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW




さて、操作性について述べます。

まず、絞りリングですが、レンズの先端についているので、非常に操作し辛いです。
しかし、私の場合、ほぼ F11 で撮ることにしたので、操作性はどうでも良いです。
ただし、若干トルクが軽いため、意図せず回ってしまったことが何度かあり、この点がマイナスポイントです。


次にピントリングですが、これが非常に、いや、異常に硬い。
被写体を前にしてファインダを覗きながらピントリングを回すことは困難、と言うか無理です。

どうやらこのレンズ、手持ちで使う場合は、実質的に固定焦点レンズとして運用すべきだ、と思います。

つまり、このレンズの撮り方としては、予め撮影倍率を決め、倍率が刻印されているピントリングでその倍率に合わせ、後は体の移動でピントを合わせることになるので、私は固定焦点レンズと認識しているのです。

ちなみに、三脚で撮る場合は、じっくりピントを合わせるやり方もできそうですが、そうなると別の問題が出てきます。

2.5倍~5倍と言う、非常に大きな倍率を扱うため、撮影位置を決めてピントを合わせるやり方だと、撮像面の被写体の大きさが劇的に変化するため、構図がままならないのです。
例えば昆虫の体表構造を撮るため、顕微鏡的に「とりあえず大きく撮れれば良い」と言うのなら、このような撮り方も有りでしょうが、一般的な昆虫写真を撮る場合は、「この撮影距離でこの倍率なら、このくらいの大きさに写る」ことを理解していないと、三脚での運用も難しいでしょうね。

もちろん、手持ち撮影の場合でも「この倍率ではこのくらいに写る」と言う知識は必要になってきます。
が、しかし、手持ちでシャープな画像を得るには、倍率は最低の2.5倍で撮ることがベストだと考えるので、よほど条件が整わない限り、私は常に2.5倍で撮るようにするつもりです。





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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/125 / ISO800 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW
雫にピントを合わせたかったのですが、何枚撮ってもイマイチで、結局根負けしました。




それでは、一番大事な撮影の難易度について。

そりゃ難しいですよ、やっぱり。


まず、ピント合わせについてですが、ファインダ像が安定しないのは前述した通り。
最低倍率の2.5倍でも、姿勢が悪いとまともには撮れません。

一番良い姿勢は、レンズを何かに押し付けること。
地面なり、木の幹なりにレンズを押し付けられれば、ファインダ像はかなり安定し、劇的に撮りやすくなります。

もし押し付けるものがなければどうするか。
両膝(片膝じゃ安定しません)が付ければそうしたいところですが、それもできないとなると・・・根性だな(笑)


普段はファインダで撮る場合がほとんどの私ですが、高倍率マクロに限っては、液晶でのライブビュー撮影が意外といけます。
ストラップの長さを調節し、両腕を一杯に伸ばし、ストラップをピンと張った状態で撮ると、これが非常に安定するのです。

ただし、α7R4 の液晶画面は解像度が低く、私が老眼であることも相まって、ピントの山が分かり辛いのが困ったちゃんです。
次機種では、もう少し高解像度の液晶にしてほしいですね。





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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/125 / ISO160 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW
ダンゴムシの背中の模様ですが、これ絶対悪魔の呪文だと思う。




では実際にシャッタを切る際の話しですが、最低倍率の 2.5倍であったとしても、ファインダ像がゆらゆら動いて、ピントが合わせ難いのは前述の通りです。
じゃあ、どうやってシャッタを切るか、ですが、一言でいうと「勘」でタイミングを合わせるのです。

通常の等倍マクロレンズで撮る場合、ピントを追って被写体に近づいていくと、ここだ!と言う瞬間が分かります。
このタイミングでシャッタを押して成功するのは、一眼レフの場合。
EVF の表示タイムラグがあるミラーレス機の場合、わずかとは言え、このタイムラグのせいで大抵ピントは合いません。
まぁ、一眼レフでも、それほど成功率は高くないのですけどね。

と言うことで、ここだ!と思ってシャッタを切っても遅いので、そのまま少しピント奥に送って、またこちらに戻す動作をすることになります。
ここで再びピントが合う瞬間を予想し、それこそ「勘」でシャッタを切るのです。

なんだか、コントラストAF の仕組みにそっくりですが、勘に頼る分、人間が不利ですね(笑)
まぁ、慣れれば最初のピント合わせの時(ピントを往復させず)にシャッタを押せるようになるので、人間の方が優秀・・・かもしれませんが。


私の等倍撮影時の合焦率は、D4 などのファインダが優秀な一眼レフの場合でだいたい六割、ファインダが高解像度の α7R4 の場合で三~四割、拡大表示を使うと五割弱に上がる、と言ったところです。

ところが、こと高倍率撮影となると、等倍撮影ではほとんど問題にならなかった、構図のズレも同時に修正する必要があります。
なにせ、ファインダ像がゆらゆらと、あっちこっちに動きますから、被写体を思った位置に保持しようとすること自体が困難です。

ピントを合わせるだけでも大変なのに、同時に構図も修正しないといけない。
これ、かなりの難易度です。
私の場合は、構図のズレはある程度許容し、ピンズレを無くすように全神経を使うことにしています。


ちなみに、ピーキングも試しましたが、表示レベルが「中」だと、ほとんど色が付きませんでした。
他のレベルは試していませんが、実絞りでの撮影となる本レンズの場合、露出倍数のため入射光が非常に少なくなるために、画像のコントラストが判断しにくいのが理由だと思います。

ざっと近似値で計算しましたが、例えば撮影倍率 2.5倍で F11 の場合、露出倍数を加味した実効絞り値は約F38、これが 5倍ともなると約F66になります。

まぁ、ピーキングが働かなくても仕方がないかな、とは思いますね。




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【秋葉山公園】 SONY α7R4 / LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO / F11・1/100 / ISO640 / GODOX TT350S + MEIKE MK-R200(x2) / RAW
下手すると、このくらい構図がズレます。





相変わらず文章が長いので、書いていて疲れてきました(笑)
こんな長い文章、よっぽど興味がある人以外、読まないでしょうね、きっと(爆)


まだまだ書きたいことは山ほどありますが、所々に挟む画像のストックもなくなったため、残りはまた今度、とさせていただきます。

おやすみなさ~い。