今のカメラには、撮影に便利な機能が色々あるのは良いのですが、それらを使いこなすには、そのまま使っててもダメ。
時々によって必要な機能をメニューをたどって設定するのは大変で、その内に面倒臭くなって使わなくなること、請け合いです。
そのため、如何に自分に合ったカスタムセッティングを施すかが大事で、新しいカメラを手に入れるたび、私も悩んできました。

今回手に入れた α7R4 ですが、色々試しながら、何とか自分なりのセッティングが固まってきたので、皆様にご紹介しようと思います。

とりあえず今回は、AF 関連に限ってのお話しにします。


ちなみに、私の撮影は花や昆虫マクロが主なので、それに特化したセッティングを考えました。
その他、例えば風景やポートレイトなどがメインの方には、以下の記事は全く参考にならないと思います。



・シャッタ半押しAF ・・・ 入
・AF-ONボタン ・・・ 押す間カスタム設定(C-AFのみ設定)
・AELボタン ・・・ 再押しAF/MFコントロール
・C2ボタン ・・・ ピント拡大(初期倍率:5.9倍)


これを見ただけで、私の意図が分かった方は凄いと思います。
では、順に説明していきます。

まず、AF-ONボタンについてですが、フォーカスモードのみ C-AF に設定(他の項目は未チェック)した「押す間カスタム設定n」を指定し、AF-ONボタンを押したときに、直前の設定のまま C-AF を作動するようにしました。
つまり私の撮り方は、通常時には AF-ON ボタンで C-AF で撮ることを基本としているのです。
いわゆる、親指AF ですね。

じゃあ、何故シャッタ半押しAFを「入」にしているのか。
実はこれ、苦肉の策なのです。



20200128-_DSC0295
【清見潟公園】 SONY α7R4 / SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS / F4 AE / ISO400 / JPEG



それは、「拡大AF」を使いたいと思ったことから始まりました。

「拡大AF」は、拡大表示中に AF を作動させ、ピンポイントにフォーカス当てることができる機能ですが、マクロ撮影では大変有効なので、積極的に使いたいのです。
ところが、拡大AF は S-AF しか機能せず、拡大中に C-AF を作動させると、拡大表示がキャンセルされてしまうのです。
対して S-AF だと、拡大したまま AF が働くので、ピントが合ったかどうかが確認できるのです。

では、AF-ONボタンで、S-AF を作動させるようにしたらどうか。

実際のところ、最初はそうしていたのです。もちろん、シャッタ半押しAFは切って。
ところが、驚いたことに、α7R4 の S-AF は、C-AF より遅いのです。
ハッキリ体感できるほど、C-AF の方が速い。
これ、C-AF を「レリーズ優先」にしているからではありませんよ。

どうやら S-AF では、ピント合わせの最後に、ピント位置がほんの少し前後するのです。
ネットで調べたところ、最後にコントラストAF でピントを詰める仕様らしい、って、マジか!
ビックリですよ、ホント。

この前後動、気になると言えば気になりますが、撮影にさしたる悪影響はなさそうな感じもします。
とは言え、位相差AFのみを使用する(であろう) C-AF で撮る方が気持ち良いし、AF精度も S-AF と比べて遜色なさそうです。
で、通常は C-AF で撮っていて、ピントが怪しそうな場合は拡大AFで、と言う使い方を思いついたのです。

そこで、フォーカスモードは常に S-AF にしておいて、シャッタボタンお押せば S-AF 、AF-ONボタンを押せば C-AF が作動するようにしました。
そして、拡大AF を使いたいときは、S-AF なり C-AF で一旦ピントを合わせておいて、C2ボタンを押し、ピント位置を拡大表示させた後、シャッタボタンで拡大AF を、と。
また、この方法だと、不意にチョウが飛んできたときなどでも、C-AF で追えることができますね。

う~む、完璧じゃん。



20200128-_DSC0286
【清見潟公園】 SONY α7R4 / SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS / F2.8 AE(-0.3) / ISO400 / RAW



もう一つ、このセッティングの妙が分かるのは、どうやっても AF でピントが合わないとき。
例えば、コントラストが低い被写体や、暗いところ(思ったより AF 効きません)、それに花を撮っているとよく経験するのですが、少し離れた所にある花(小さく写すってことです)を狙うとき、背景が抜けているような状況だと、AF が後ろに抜けて合焦できないときがあります。

こんな時は、一旦 MF で大雑把にピントを合わせておき、その後は AF なり 拡大AF なり、またはそのまま拡大MF なり、お好きな方法で撮れば良いのですが、最初に MF でピントを合わせるには、フルタイムマニュアルフォーカスが実装されていないミラーレス機では、AF/MF を切り替えなければなりません。

そこで、デフォルトのフォーカスモードを MF にしておき、親指AF で C-AF を作動するようにしておけば、一々 AF/MF を切り替えなくて済むのです。
でも、そうすると拡大AF が使えないから、AELボタンに再押しAF/MFコントロールを割り振り、拡大AFを使うときや、精度的に S-AF を使いたい時に、MF から AF に切り替える、と。

これにて一件落着。
こうやって文章に書くとややこしそうですが、実際の運用はすぐに慣れますよ~



20200128-_DSC0336
【清見潟公園】 SONY α7R4 / SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS / F4 AE(+1.3) / ISO500 / RAW(APS-Cモード)



もう少し設定関係を述べます。

まず、MF 時にピントリングを回すことで表示が拡大される MFアシスト機能ですが、私はこれを切っています。
拡大されるのは良いのですが、シャッタ半押しで拡大表示がキャンセルされてしまうからです。
私は、シャッタを切る最後の最後までピントを確認していたいのですよ。

また、ピーキング機能は使いません。
ファインダに変な色が出ていては、興ざめですからね。


その他、αには DMF(ダイナミックマニュアルフォーカス)と言うフォーカスモードがあって、このモードにしておけば、AF の後、レンズのピントリングを回すことでシームレスに MF に移行でき、ピントを追い込めます。
でも、AF でピントが合っているかもしれないのに、それを信用せずにピントリングを回す行為って、ちょっと抵抗ありませんか?
私が欲しいのは、AF で合わせる前の MF、即ち、フルタイムマニュアルフォーカスなので、DMFは使いません。


今日の所はここまで。
その他の設定については、次回にでもお話しする予定です。