X-H1を使い始めて2ヶ月ほど。
X-T1から比べると、ずいぶんと階調が広がった気がします。
もちろん、諸手を挙げて歓迎するほど喜ばしいことですが、ちょっと気になることがあるんです。


実はX-T1を使い始めたばかりの頃、思ったより白飛びしやすいことに戸惑いました。
そりゃあ当然、白飛びするときはするものですが、私の経験上、白飛びの危険性を感じない状況下でも、思いもよらず白飛びすることがあり、ちょっとこのカメラ、意外にも階調が狭いのではないかと思いました。
ところが、計測サイトなどの情報では、階調が狭いと言う話しは聞かず、こりゃあいったいどうしたものかと、いぶかしく思っていました。
そして、しばらく使い続ける内に、どうやら単純に階調が狭い訳ではなさそうだと気が付きました。

高輝度な被写体-例えばシラサギなど-を撮る場合、同じピーカン日和の下でも、白飛びしたりしなかったり、日によって、あるいは撮影場所によって、発生頻度がまちまちなのです。
これは、たとえ同じような状況でも、太陽の位置や被写体の角度などにより被写体の反射率が違い、それによって白飛びする場合があるのだ、と自分を納得するより他になく、さりとて確証もなく、悶々とする内に他機種をメインに使うようになり、忘れてしまった・・・こんな感じでした。

それでは、階調が広がったX-H1ではどうかと言うと、残念ながら同様に白飛びが発生します。

次の画像をご覧ください。
ピーカン日和に撮った写真です。
上がJPEG撮って出し(VELVIA)、下がRAWをLightRoomでデフォルト現像(PROVIA)したものです。



_DSF3733
FUJIFILM X-H1 / XF 80mm F2.8 R LM OIS WR Macro / F2.8 AE(-0.3) / ISO800 / JPEG(VELVIA)



_DSF3733-2
RAW(PROVIA)



ピンクの花びらを、強い太陽が照らしている昼過ぎ。
背景は岩で、画面左側は日陰になっており、確かにコントラストは高い状況でしたが、私の経験上、白飛びする状況下ではなかったです。
EVFを覗くと、花びらが真っ白(正に下の写真のよう)に見えており、「あ~、白飛び現象来ましたね~」と言った感じでした。
で、ダイナミックレンジ指定を400%(ISO感度が800になります)にし、さらに0.3段マイナス補正を掛けて撮影しました。

結果はご覧の通り。

RAW現像の方は、一見すると花びらが白飛びしているように見えますが、データ上はギリギリ白飛びはしていません。
そうじゃなきゃ、上のJPEGのように、花びらに色が残っていませんからね。
よって、結果オーライ、と言えなくもないのですが・・・これはやはりおかしい。
いくらコントラストが高いシチュエーションだったとは言え、順光下でこのような白飛び気味の画像が出力されるなんて、ちょっと考えられません。


このような現象は、時折白や黄色の花でも見られますが、圧倒的にピンク色の花で起こることが多いです、と言うか、今のところ他の色の花では見られません。
そして、被写体の周りに暗い部分が多く、被写体との明暗差が大きいと、白飛び気味になることが多いようです。



さて、これから先は、私の推測を交えたお話しです。



X-T1やX-H1のセンサーは、他機種で一般的なベイヤー配列と呼ばれるタイプではなく、FUJI独自の画素配列を持つ、X-Trans CMOSと言うものです。
なんでも、モアレや偽色防止に効果的だとか。
結構なことですが・・・ひょっとして、RとBのセンサー入力を増感してませんかね?

一般的なベイヤー配列の場合、6×6個の画素配列の中に、R:9個、G:18個、B:9個の割合で画素が組み込まれています。
対してX-Trans CMOSの場合は、同じく6×6個の画素配列に、R:8個、G:20個、B:8個と言う割合だそうです。
どちらの配列もG画素の割合がR、Bに比べ多いのですが、ここでは割愛するものの、これにはちゃんとした理由があります。
とは言え、一般的なベイヤー配列と比べ、画素全体に対するG画素の割合が高くなっているせいでバランスが悪く、R及びB画素の入力を増感しているのではないか・・・と、私は推測しているのです。


もしそうだとすると、どうなるか。


ピンク(正確にはマゼンタ)は、R(赤)とB(青)の混色です。
赤と青のセンサー感度が上がれば、その混色であるマゼンタは、赤・青両方の影響を受けるため、増感の程度は赤・青単体より強くなります。

そして、被写体の周りに暗い部分が多い場合、どうしてもAEは露出を上げざるを得ない。
おまけにマゼンタは、黄色と並んで反射率が高く、白飛びの危険性はさらに増す・・・

これが、時折見られる白飛びの原因ではないか。
私はこう思っているのです。


今一つ確証も、そして自信もありませんが、仮説としてはありなんじゃないでしょうかね~